本当のプロ
あるバッターが打席に向かう。そのとき、どんな準備が必要か。
イニング、得点差、アウトカウント、ランナーの有無。これらの諸状況くらいは当然頭に入れる。
相手ピッチャーの特徴や投球パターンなどに関するデータはチェックするだろう。
高校野球の名門、浪商でドカベンこと香川とバッテリーを組み。
プロ入りした元中日ドラゴンズのプロ野球選手の牛島和彦という投手がいた、
のちに横浜ベイスターズの監督も務める人物である。
彼が現役時代のことである。
球団の投手コーチが自軍の投手にこう聞いた、9回裏0対0で2アウト満塁ツースリーの状況(説明すると1球でもボール球を投げればゲームセットという状況)だ、
お前なら何をなげる?という質問に対して、
牛島以外のすべての投手が、「打てるものなら打ってみろ!という思いでど真ん中にストレートを投げ込みます!」と答えた。
しかし、牛島は違った、
唯一コーチに聞き返した、
「どうやってその状況になったのですか?その状況を細かく教えてください。」
と聞いたそうだ。
当然、牛島投手は球界を代表するピッチャーとなるのである。
これは、裏を返せば、どんな状況でも、経緯をつかんでいれば打破できる自信があるということでもある。
つまり、状況の把握がとても大切ということである。
自分の仕事も、テストの点数も、なぜそうなったのか?を把握し、
原因を見つけるということが大切だ。